文化博物館だより No.20

「待ってました!!」
紙芝居のおじさんの「そのときであります!」の声に続いて、小学生が声をそろえます。
連日、小学生たちの声が博物館の中に響きわたり、活気あふれる一日が展開されています。
今日も、5つの小学校の活動が終わり、片づけをしていると熱心に観覧されている高
齢者の方が三名おられました。
「いかがですか?」と声をかけると、「いいですねー。」「懐かしいものばかりで
す。」テレビの放映を観られ、わざわざ生野と朝来の方から来館されたということです。
展示されている「道具たち」をひとつ一つ眺め、若かりし頃の「思い出」「体験談」
に花が咲きました。話せば話すほど表情も生き生きとしてきます。

1.回想法・高齢者ケアの古くて新しいツール
今、全国の博物館で「回想法による博物館と福祉と医療の連携により実現する高齢者
ケアの取り組み」というものが注目されています。
「回想法」とは、懐かしい生活道具などを用いて、かつて自分が体験したことを語り
合い、過去に思いをめぐらすことにより、生き生きとした自分を取り戻そうとするも
のです。
ある博物館では、特別擁護老人ホームやデイサービスセンターなど、高齢者関連施設
からの見学も相次いでおり、「高齢者が、普段とは異なった生き生きとした表情を見
せている」と報告されています。
博物館のこれからのひとつの方向性が少し見えてきたような気がしています。

▲ 「これ、魚屋さんにあったわー。」

2.あかりの体験教室
2月14日(土)14:00から「あかりの体験教室」が開かれました。あかりの鹿
児資料館(加古川)学芸員の方があかりにまつわるおはなしと実演をされました。
今では手軽にライターやマッチで簡単に「火」をつけることができますが、昔の苦労
がよくわかりました。
行灯やランプ、ろうそくのあかりを体験し、その明るさを今の時代の明るさと比べて
みました。火打ち石やまいきりの道具も体験した子どもたちに混じって、大人の方も
列をつくり、順番待ちをされていました。28日(土)14:00〜からもあります
よ。

▲ 和ろうそく  ▲ 行灯と灯油ランプ
▲ 火打ち石に挑戦

3.学社融合授業
昨日の午前中に貴崎小と山手小さんが授業を展開されました。下調べをしっかりして
きたせいか、熱心に道具を観察し、今の道具と比べるというテーマをもって学習して
いました。先生と保護者ボランティアの方で即席の「だがし屋」さんになり、「一個
10円!」と掛け声をかけながら、あらかじめ用意されていた「だがし」を売られてい
ました。子どもたちも大喜びです。

▲ 解説 ▲ 待ってました!
▲ むかしあそび迷人

■明日、9:45〜AM神戸ラジオ生中継
明日の朝、9:45からラジオの生中継があります。「くらしのうつりかわり展」の
様子が中継されますので、時間がありましたらお聴きください。

▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

明石市立文化博物館
〒673-0846
明石市上ノ丸2丁目13番1号
TEL 078-918-5400
FAX 078-918-5409
編集 永田 浩史