文化博物館だより No.60

みなさん、こんにちは。
週末から今年一番の寒波が到来するようです。
防寒対策を十分にしてお過ごし下さい。
今日は博物館ボランティアの報告です。

留学生に着付けの出前 ―― 博物館ボランティア ――
1月29日(土)兵庫国際交流会館(神戸市中央区脇浜町)で留学生に着付けの出前イベントを実施しました。
博物館ボランティアをしていただいている閑人会(あかねが丘学園OB)の方々が、「十二単」の着付けを披露しました。
生涯学習センターのシニアカレッジに所属するグループも「旅姿」の着付けを担当されました。
当日は30人くらいの留学生が集まり、その中から十二単が10名、鎧兜が6名、旅姿が5名ほど異文化の民族衣装を体験されました。

▲ 解説をしながら奮闘中です。 ▲ 張さん(中国)
▲ ワンさん(中国)

ボランティアの方が日本語で簡単な解説(ローマ字のボード付き)をしながら着付けを始めると、
集まった各国の留学生はみなカメラをかまえ、身を乗り出して興味津々の様子でした。
鎧兜や旅姿の着付けが出来上がると歓声があがり、「ラストサムライ!」と言いながら刀を振り回すトム・クルーズになりきった男性が何人も登場してしまいました。
日本に来て2年足らずの張さんは、流暢な日本語で「感激しました。こんな機会はめったにないので本当にうれしいです。」と。
また、女優志望のワンさんはこの後、自分で買った「着物」を部屋から持ってきて、着付けてもらいました。

▲ スリランカのトム・クルーズ ▲旅姿(タイの方)
▲ 着付け後の交流

現在、兵庫国際交流会館には300人近い留学生(既婚者も含め、年齢はかなり幅があるようです)が暮らしており、
日本の大学へ留学していたり、様々な機関で研究をされているようです。
70〜80%くらいがアジアからの留学生で、「日本の文化」に大変興味があり、交流会では様々な質問が飛び出していました。
「十二単を着た女性のトイレはどうするの?」「鎧を着たサムライをどうやってやっつけるの?」「戦では何を食べていたの?」などなど。
答えに四苦八苦しながらの交流会となりましたが、留学生の皆さんは、「写真を国の家族に送ります。」と言って、笑顔で部屋に戻られました。
我々にとっても、日常とはかけ離れた日本文化となっている十二単や鎧兜。
テレビや映画の中でしか、なかなか見ることができないものです。
大都会の中、異文化の中で暮らす留学生にとっては、自分たちの思い描いている「日本」を感じる重要なものになっているのかも知れません。
「着物のよさはどこですか?」とワンさんに質問すると、「着物と帯を自分でコーディネイトできるところ。」と笑顔で答えてくれました。
留学生のみなさんの礼儀正しさが、印象に残った交流でした。

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明石市立文化博物館
編集:永田浩史