文化博物館だより No.58

みなさん、こんにちは。
「大寒」が過ぎ、日増しに寒さが厳しくなっています。
通勤・通学でついつい地面とにらめっこして歩いている人が多くなりました。
今日は講演会と博物館ボランティアの報告です。

1.新春特別展講演会 ―― 京焼と兵庫のやきもの ――
1月22日(土)、大手前大学助教授の岡 佳子先生を講師に「京焼と兵庫のやきもの」と題した講演会が開かれました。
寒さにも負けずに120名を越す陶磁器愛好家が集まり、スライドを交えた2時間近くの講義に熱心に耳を傾けました。
第一部では、江戸時代の京都の窯跡の地図を見ながら、17世紀以降の京焼の変遷をたどり、各窯の陶工たちが京焼きの技術を磨いていった概要を詳しく解説していただきました。
明石焼も含め、兵庫各地に広まった窯は、京焼の陶工たちが「国焼下向」として各地に行き、影響を与えました。
しかし、「京焼」そのものを真似て作るのではなく、その地方の土(粘土)や風土をいかした独自の「作品」を作るという意味
で、それぞれの窯の陶工たちが、創意工夫しながら作陶に励んだということです。
第二部では、スライドを交えて「京焼の名品」をたどり、軽妙な語り口に集まった方々は満足されていました。

▲ 岡 佳子先生

新春特別展は1月30日(日)までです。この機会をお見逃しなく!!

2.十二単で国際交流 ―― 博物館ボランティアが出前で着付け ――
1月29日(土)10:00から、兵庫国際交流会館(神戸市中央区脇浜町)で、いつも博物館でボランティアをしていただいている閑人会(あかねが丘学園OB)の方々が、「十二単」の着付けを披露します。
これは生涯学習センターのシニアカレッジに所属するグループからの依頼で計画したもので、ボランティアの方々も自分たちの着付けの技術を向上させようと取り組まれています。
当日は、国際交流会館にいる留学生の人に「十二単・鎧兜・旅姿」を着付け、異文化交流をしようというものです。
手探りの状況ですが、少しずつ「博物館ボランティア」が動き始めています。
2月5日(土)から始まる「くらしのうつりかわり展――素材と形――」では、3つのボランティアグループと連携し、学習支援を計画しています。
こちらの方も着々と準備が進んでいます。

▲ 神妙な面持ちで、着付けてもらいます。
▲ はい、できあがり!

上の写真は、1月21日(金)の練習風景です。着付けの順番に解説の練習も取り入れて、本番に向けての準備をしました。
人を介し、ものを介し、人の輪が広がっていきます。
留学生の方にうまく伝わるのか不安もありますが、前向きにトライですね。

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明石市立文化博物館
編集:永田浩史